今更だけどSTAP細胞について調べてみたよ
こんにちは。miya-masaです。書いていきたいと思います。 ところで、みなさん「STAP細胞」って知ってます?「万能細胞でしょ?」とか「iPSみたいなやつだろ」とか「結局ないんだろ」とかいろいろ思うところはあるかも知れません。今回は、
「てか、STAP細胞とか万能細胞ってなんなの?」 「ねつ造なのコピペなの?」 「なんでそんなすぐわかる嘘ついたの?」 「結局STAP細胞って存在するの?」
といった皆さんの疑問を払拭できるように頑張ります。 小学生でも分かるくらいまで噛み砕きます。
この記事は真実をなるべくわかりやすく書こうと頑張ってますが書いてあることに責任は持ちません。でも誤解を招く表現や明らかな間違いなどありましたら、指摘してくだされば修正します。
万能細胞について
まず万能細胞とはなんぞやというところから説明しようと思います。 以下wikipediaより
万能細胞(ばんのうさいぼう)は、多能性幹細胞あるいは多能性を有する細胞を指して使用されている用語である。細胞の多能性とは、多細胞生物の身体を構成するすべての種類の細胞に分化する能力(分化能)を指して、概説されることが多い。
簡単に言うとどんな状態にでもなれる状態の細胞です。
例えば人間は最初1種類の細胞から作られます。受精卵から少し経ったくらいですかね。その一種類の細胞が皮膚の細胞だったり、筋肉の細胞になったり、脳の細胞になったりして人っぽくなっていくんですね。 この、いろいろな細胞に分かれる工程を「分化」と言います。
そしてそんな何にでもなれ、かつどれでも分化できますよっていう最初の状態の細胞を万能細胞と言うんですね。
この万能細胞は再生医療の分野で注目を浴びています。
腕の無くなった人の手を再生することができたり、 目が見えなくなった人の視力を回復させたり、 髪の毛を生やしたり、
まぁ万能細胞なわけですから、どんな細胞にもなれるわけですから、 研究が進めば上記が実現できても不思議ではないのです。
ちなみに、一個から完全に個を作れる特徴を全能性、完全に個はできないがあらゆる細胞になれるものを多能性と言ったりします。
幹細胞という言葉もありますがこれは分化する能力のある細胞の事で、その幹細胞の中でも多能性があるものを 万能細胞と呼ぶというわけです。
ES細胞
ES細胞は上述した万能細胞の一種です。 ES細胞はどういうものかというと、 まだ多能性のある受精卵内の細胞を培養したものです。 正確には受精卵内というわけではないのですが。
一度受精卵から取り出し、体外で培養した後でも多能性(=何にでもなる)が失われないように取り出されたこのES細胞です。
人間て欲深いすな。
しかし、人でES細胞を培養する場合は少し問題があったのです。 何せ受精卵からその後分化する細胞を取り出して培養するわけです。 もともと生まれてくる命が無くなるわけですね。 倫理的な問題です。
ただ、今は受精卵を機能を残しつつES細胞を培養する技術も進歩しているようです。
他にも人に応用する場合他人の受精卵から取り出した細胞を使うわけですから、拒絶反応の問題もあります。
iPS細胞
「受精卵とか他人のじゃなくて、もう分化したあとの自分の細胞使えばいいじゃんね」
そういう研究ももちろんされていました。 それができたのがの山中教授が作製に成功したiPS細胞です。
iPS細胞は分化した細胞に初期化因子(山中因子)という遺伝子を導入します。 そうしてうまく培養してやると、分化した細胞の初期化が行われ、万能細胞が出来上がるというわけです!
ES細胞と比較し、
- 受精卵やES細胞を使用せず、分化した皮膚細胞を利用できる
- 他人の細胞ではなく自分の細胞から作製できる
という点からES細胞の倫理的問題、拒絶反応の問題をクリアしたと考えられるわけです。
もちろん人からiPS細胞を作成することも成功しているようです。
しかし、課題がないわけではありません。
一番大きな問題は、初期化因子に癌化しやすい遺伝子あるということでしょうか。
一応WikiによるとマウスのiPS細胞を胚に戻し、生まれたマウスの20%が癌になっていたみたいです。
この原因が初期化因子にあると考えられています。
今はだいぶ研究も進んで以前より回避できる確率は上がっているようです。
余談なんですが、元々一度分化しきってしまった細胞はもう元に戻ることはないと考えられていました。それをぶち破ったのがクローン羊のドリーです。あの子はどうやって作られたかというと、まず成体の分化した細胞の核を取りだし、それを核を除いた受精卵にセットします。
そうしたら成体と全く同じ遺伝情報を持った羊が生まれたのです。この羊がドリーです。
この羊が出来たことによって一度分化したあとの細胞も分化前に戻る(=初期化)事が出来るということが証明されてそれまでの概念がぶっ飛んだわけです。
サラッと書いてるけどこれかなりすごいことだったみたいですよ。
STAP細胞
ここまで来てようやくSTAP細胞の登場です。STAP細胞はまぁ万能細胞なんですが、今までのiPSとESと何が違うかというと
- 作り方が超簡単です。
- 分化した細胞使います。受精卵使いません
- 初期化因子とか使いません。分化した細胞だけでOK
- iPS細胞より生産効率良いです。
- 時間もそんなにかかりません。
などなど、結構ぶっ飛んだ感じの発表だったんですね。
だって、分化した細胞オレンジジュースに数十分つけたら初期化しちゃった、テヘペロ。
てな感じなんです。本当に。そりゃ研究者も
「マジかよ。。。」
となるわけです。ただ、やっぱりそう上手くはいかなかったようですね。
論文はコピペ?ねつ造?
発表された論文は追試(再現できるか第三者が試験する)され、再現出来て初めて評価されます。
ただ、誰も追試で成功しなかったんです。誰もです。
そんな中、論文中に過去の論文のコピペや、画像が修正したあとがあったり、ボロボロと不備が出てきました。最初はただのコピペでごめんなさいして修正して出しなおせばええやん、って感じだったのですがどうやらそうも行かなくなってしまったみたいです。
と、いうのも
「そこいじってたら分化した細胞だった証拠なくなるやん!」
「そこいじったら万能細胞である証拠なくなるやん」
って思われても仕方のないところに修正があったみたいなのです。
具体的にはこんな感じです。
論文はざっくり言うと、
仮説
- 分化した細胞の中にはなんか不活性な細胞っぽいのがある
- これって万能細胞が眠ってんじゃね
実験
- まずそいつ取り出してみよう
- いろいろ刺激与えてみよう
- 観察しよう
- 万能細胞できました
証明、考察
- この万能細胞はちゃんと分化した細胞からできました。
- 万能性もあります
という流れっぽいのですが、この証明、考察の二つに不備があったんですね。
まず、分化した細胞から作られたかの判断なんですが、一度分化しきった細胞(正確にはリンパ球)は初期化が起こるとTCR再構成という特徴的な変化が起こります。
その変化を調べて、TCR再構成の痕跡があるなら元々分化した細胞であり、なければ分化した細胞であるとは言えないということです。
今回natureに出された論文にはちゃんと、TCR再構成の痕跡があると書かれていましたが、その証明する画像に捏造疑惑がかかりました。
3/5の再実験でできたと言われているSTAP細胞からもTCR再構成は一つも認められていません。 まぁたまたまできなかった可能性もあるんですけどね。
次に万能性の証明なんですが、これは三種類の結果が提示されているようです。
- oct4gfpの発光(まだ分化してない細胞の証明の一つ)
- テラトーマ現象の確認(多能性であることの確認)
- キメラマウス作る(大体同上)
実は一個目までは結構成果上がってるんです。全部でたらめではなくちゃんと再現できたものもあるんですね。
ちなみに、ちょっと前に香港で「再現できた!」と言われたのはここまでだと考えられています。
問題はここからです。
テラトーマ現象についてです。多能性のある細胞をマウスに入れてやると無秩序に細胞を変化させていきます。この特徴的な変化のことをテラトーマ現象と言います。
この実験を成功させているのは小保方さん一人だけなのですが、このテラトーマ現象の証拠となる写真も捏造疑惑がかかりました。
次にマウスの作成ですが、これは山梨大学の若山照彦教授が成功しました。この人もグルなのかと思いきや、実験の進め方はこうです。
- 小保方さんから試料もらう
- それを元に実験する
- できたら詳細を小保方さんに調べてもらうために返す。
みたいな感じです。これを微妙に方法を変えながら一年以上繰り返していました。
ここでもし成功した時に渡された試料がSTAP細胞じゃなくてES細胞だったら?
いや、気づけよと厳しい意見がとぶかもしれませんが、ES細胞であるという判断は簡単にはできないみたいですし、貰ったものを毎回毎回ES細胞じゃないというチェックをするというのは相当な労力と時間が必要のため、ここは小保方さんを信頼して余計なことは気にせず自分の実験に集中するのがあるべき姿なのかなとは思います。
最初は自信を持ってSTAP細胞を信じていた若山教授ですが、いろいろと不備が出てきて、自分の実験に自身が持てなくなってしまいました。そこで実験に使ったマウスを第三者機関に検査してもらったところ、若山教授が依頼した種類のマウスではなく、違うマウスだったのです!
しかもそのマウスは、ES細胞の実験でよく使われる種類だったようですね。
小保方さんはこの件に関しては一切コメントしていません。
理研は気付けなかったのか
自分自身、最初は気づけよ。って思ってたんですがそれはそれで難しかったみたいです。たしかに気づけなかったのもしょうがない感出てきました。
そもそも論文の査読は書かれていることが全て正しいという前提で進められます。その上で
- ここはこういう言い回しのほうが良い
- ここの画像はこういう風にして注釈入れようか
- これじゃ分かりづらいからあの実験結果も載せようか
みたいな感じです。つまり論文の質は高めることができるが、捏造や盗用を見つけるのは非常に困難なのです。
まぁ一々最初から最後までコピペか捏造かを疑い出したら研究できなくなっちゃいますもんね。
小学校とか中学校の時
「悪いことすると変なルール作らなくちゃダメで、作らざるを得なくなると窮屈になるのは自分らだぞ。」
とよく言われましたが、何か似たようなものを感じます。
理研が責められるとすれば、ちゃんと査読しろというより
ちゃんとした研究者育てろ
とか
ずさんな実験体制を見直せ (画像を取り違えないように管理するとか実験ノートをしっかり取るよう指導するとか)
とかなんじゃないでしょうか。
4/9 小保方会見
もうここまで信頼できない感じなんだから、てっきり謝って、STAPの存在も白紙にもどしてやり直します。的な感じかと思ったんだけど、そうではなかったようですね。
まだあるって言い切りましたね。
個人的には4/9の会見はSTAPがあったかという話ではなく悪意があったのか勘違いだったのかというだけで、STAPは白紙という前提で進むのかと思っていました。
まぁ期待を全くしていなかったかというとウソになりますが。実験方法詳細が存在してをそれを公開するとかね。そうなったらすげーて感じだけど結局、何も出ず。
STAP200個できた、というのも多分oct4gfpの発光までなんじゃないかと。まぁそうだとしてもウソではないんですが。。。推測の域は出ません。
しかし、
実験詳細は公開しようとしません。
実験ノートも公開しません。
他に実験成功した人がいると言っていますが誰だか誰もわかりません。
ES細胞のマウスについても納得行くコメントは得られません。
分かったのはコピペ以外の本物の証拠があるということ。本人しか再現できない実験の証拠ですが。
本物があるから悪意はなかったということ。 それだけです。
別件ですが、マスコミもよう突っ込んだなって感じでしたね。悪意がある捏造かどうかで終わるのかと思いきや、やっぱり気になることを結構、ズバズバ聞いてくれてたように思えます。
まぁ案の定、核心の部分は全てかわされて、うやむやで終わってしまったのは、予想通りであり残念でしたけどね。
考察まとめ
冷静に考えたら、今の段階でSTAPの存在を言い切るのはおかしいと思うんですけどねー。
世論は未だに信じている人もいるみたいですけど。 端から見てるとネッシー見たって言っている人がいたとして誰にも信じてもらえなかったとして、「ネッシーいるんだよ!この人しか見てないけどいるんだよ、おめーら!」って本気で言ってる人と大差ないような気がするんですよね。
けどネッシーがいないことの証明は激ムズだから「はいはい、いるねいるね、わかったわかった。」みたいに返すのが楽ですね。
まぁでも小保方さんの私生活まで暴かれてあることないこと言われたのは気の毒だとは思います。研究のそれとは別の話ですけど。
あともう一点。STAP細胞の報道の反応を見てると、人って見たいように見て聞きたいように聞いてるんだなって感じます。
僕が書いた情報は全てマスコミ経由で得られる情報だと思っているんですけど、そんなの無視して
「責め過ぎだ!かわいそうだ!」
というのはどうなんでしょう? はっきりさせるところははっきり回答するのは義務なんじゃないかと思いますが。
みなさんどうですかね?
参考(ここ、随時更新します)
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC_(%E7%BE%8A)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E8%83%BD%E7%B4%B0%E8%83%9E